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コンセンサス・ビルディング基礎知識コーナー
その4:よく出てくる用語解説(メルマガ 第16号より)
サスカインド教授は英語でお話されるため、日本語への通訳が入り ますが、時には、通訳の過程でニュアンスのブレが避けられないこ ともあります。そこで今回は、セミナーで教授の口から出てきそう なキーワードをご紹介します。合意形成/交渉学を考える上で鍵と なるコンセプトが含まれていますので、英単語集というよりも、 むしろ合意形成のキーワード集としてご一読ください。
[よく出てくる用語]
○BATNA
”バトナ”Best Alternative To No Agreementの略語で、「不調時 代替案」と訳す場合もあります。
バトナは交渉学の鍵となるコンセプトで、もし(いま行っている) 交渉をやめて、他の手段で交渉の目的を達成しなければならないと 想定したとき、最も効率的にその目的を達成できる手段のことです。
例えば、ある八百屋でスイカの値切り交渉をしているとしたら、 この値切り交渉のBATNAは隣のスーパーマーケットでスイカを買う こと・・・だったりします。
○Bargaining
取引。一般的な交渉という意味もありますが、交渉学の分野では、 モノとモノを交換するという意味で使われることが多いです。
○Consensus
全員一致の合意。日本語の「コンセンサス」と同じ。
○Deliberation
審議、話し合い。単なるtalkやdisucssionと異なり、いろんな人々 が寄り集まって話し合う、という意味合いがあります。
○Dispute
紛争。ただし、日常的ないさかい、モメゴトもこの言葉の意味に含 まれます。日本語の「紛争」より広い意味を想定してください。
(応用)
Public Dispute:公共紛争。公共政策に関するモメゴト。
○Facilitation
ファシリテーション。第三者がミーティングを運営すること。
○Facilitator
ファシリテーター。ファシリテーションを運営する第三者。
○Interest
利害。詳細はメルマガ14号をご覧ください。
○Issue
検討事項。いい訳語がないので日本語で「イシュー」と言う人も最 近いるようです。交渉学でissueというと、取引をするモノ、交渉の 対象物のことを意味します。例えば、労使交渉であれば、賃金や休
暇日数がissueになります。
○Mediation
メディエーション。第三者が合意形成プロセスを運営すること。
○Mediator
メディエーター。メディエーションを運営する第三者。コンセンサ ス・ビルディングを運営する人もメディエーターと呼びます。
○Pluralism
多元主義。アメリカの政策立案を象徴する言葉で、市民はそれぞれ 異なる利害関心を合理的に持っていて、その調整により政策が形成 されるという考え方。
○PON
Program on Negotiation。ハーバード大学ロー・スクールにある交 渉学の研究機関です。
○Position
立場。詳細はメルマガ14号をご覧ください。
○SPIDR
Society of Professionals in Dispute Resolution。紛争処理専門 家協会。現在は他機関と合併し、Association
for Conflict Resolution(ACR: 紛争処理協会)になりました。
○Stakeholder
利害関係者。交渉の検討事項(issue)の変化により何らかの影響を 受ける人。法律などでその範囲が決められるわけではない。
○Table
(交渉の)テーブル。日本語でもたまに使いますが、全く同じ意味 です。"Come to table"で交渉のテーブルにつく、という意味になり
ます。
○Win/Win
ウィン・ウィン。交渉により、関係した当事者全員が満足すること。 誰かが一人勝ちして他の人が損することをWin/Loseという。
〔文責:PI-Forum理事 松浦正浩〕