インタビュー企画「PI-Forumの理事に聞く!」
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■ 合意形成について
――合意形成というとき、気をつけねばならない点は何ですか?
合意形成には、関係者で話し合うということだけではなくて、陰から圧力かけて排除するという契機もあると思います。関係者の全員一致が多くの場合は難しい以上、何らかの形での排除は避けられない場合があります。悪く言えば、合意形成にはカルテルに近い面があります。合意形成というのは、その本質を覆い隠すような美しい言葉として使われる場合もありますから、言葉の使い方には注意が必要です。
――ステークホルダーについて、どのように考えたらいいでしょうか?
誰をステークホルダーとして選ぶかというのは、これからはシビアになってくると思います。また、誰がどういう人かという情報を集積しておくことも大事になると思います。
利害関係人の重みづけも重要な課題です。例えば、巻町に原発を作るというときに、巻町の周辺住民は当然関係者なのだけれども、その電力を使っている東京の住民も関係者なわけです。全ての関係者を同じ重みで考えてよいのでしょうか。やはり周辺住民の方に重みがあるのだろうけれども、それをどう考えたらよいのでしょうか。投票という制度は重み付けは変えないという制度ですが、それがいいとは一義的にはいえません。
――合意形成というのは、日本では新しいものなのでしょうか?
PIには、過去のプラクティス(実践)をちゃんと形にして名前を与えようという面もあって、単なる技術の輸入という話ばかりではないでしょうね。例えば、道路公団の方がかつてやっていたような、足繁く通うという戦略にも一理あると思います。一緒に飲めばいいってわけではないけれども、毎日通うことである種の信頼関係を築いていくことができる。用地買収や区画整理にそういったノウハウの蓄積があるのです。
著名な民俗学者の宮本常一先生の『忘れられた日本人』という本では、三日三晩話し合うということが書いてありました。桑子敏夫先生(東京工業大学教授)なども日本独自の合意形成というものを発掘しようと試みておられます。日本には日本のやり方があって、それをPIとは言わずにやってきたという面があります。それに形を与えることは必要だし、それと海外から入ってきたものとの関係などは詰める必要があると思います。
――では、日本と海外の違いは何でしょうか?
現場における日本とアメリカとの一番の違いは、第三者への外注の仕方ですね。日本では、全部を第三者に外注するということをほとんどしません。名前は@@総研でやっていたとしても、細かく省庁が指示を出しています。第三者をうまく使って合意に達するということはあまりありません。
審議会などでも、事務局は全て役所が担っています。色々な人たちを呼びまとめ役になることで中立を装うわけですが、政府は事業をやりたいのだから、ある意味では当事者なんです。むしろ第三者を使って、自分たちと他の関係者の合意を得るというやり方もありうるわけですが、そこまで踏み込む例は日本ではほとんどありません。例外は成田ぐらいでしょうか。
■ PI(パブリック・インボルブメント)と資源(リソース)
――PIは日本に根付いていくでしょうか?
現場の人にとって、PIなどは手間のかかる作業なわけです。たとえば、情報公開のために作らなければならない書類が増えていっています。昔よりもPIが言葉としては言われるようになっているけれども、実際は手抜きになっている可能性があります。PIや情報公開といったことに対してきちんとリソース(資源)をかけられるようにしていくことが必要ではないでしょうか。そういう仕組みを作らずに、形だけPIとか合意形成と言っても空回りしてしまうと思います。
――PIの予算はどのようになっているのでしょうか?
制度が絡んでくる面があります。なぜ河川や道路でPIができるのかといえば、調査費とか測量費という形で大きい費目の中に埋め込めるのです。そうではなくて、単品としての合意形成やPIそれ自体をいかに評価していくかが課題です。それ自体が一つのサービス、一つの成果という形で、予算制度などで評価していかないとPIをきちんとやっていくのは難しい。
そもそもハコモノ以外にはお金を出しにくいという風潮が、あったわけですね。GMO(遺伝子組み換え食品)をどうしようかという話など、政策問題みたいなことになってくると、そもそもハコがない話ですからお金がつきません。
――食品安全委員会では、どうなっていますか?
あそこも、お金がないようです(笑)。調査費なんてろくにない。また、リスクコミュニケーション(リスクに関する双方向のコミュニケーション)をやろうと言っていていますが、まだ「こちらから一方的にお伝えする」という面が残っています。ただ、本当の意味でコミュニケーションを双方向にやらなければいけないという認識も出てきてはいますので、ファシリテーター的な需要はあるはずです。
――PIにどこまでお金をかけていいでしょうか?
PIを事前に行うことによって執行過程の円滑化が可能になる面はあります。関係者の協働のためのネットワークというソーシャルキャピタル(社会関係資本)とでもいうべきある種の資産が残るわけです。PIにどこまでお金をかけるべきかを言うのは難しいけれども、このような成果に対してもっとお金をかけてもいいのではないかなと思いますね。
どうやって合意形成のメリットを定量的にあらわすのは難しいところです。けれども、今では定量的に言わないとなかなか予算が取れなくなっているので、メリットを定量化していくのは大事なことかもしれません。
■ 合意形成と利害調整のメカニズム
――浅田農産の隠蔽事件がありましたが、私だったら家族のこともあるしやっぱり隠してしまうかなという気がします。これは、PIと関係あるのでしょうか?
世の中ではある種の正論が暴走することがあります。「浅田農産が報告しないのはけしからん」と言ってガス抜きをしただけでは仕方ありません。彼らが報告した方がいいと考えるインセンティブ(誘因)のある構造にする必要があります。保険に限らないけれども、何らかの補償のシステムがあれば、マクロでは報告した方が得ですという状況を作れると思います。しかし、現時点では申告しても損をするだけという状況になっていて、それではなかなか言い出しにくい。お互いに怒りあって、その後「まぁまぁ運が悪かったね」と関係者がなだめあい、本質的な社会の仕組みの議論を行うことなく終わりにしてしまう例が日本ではけっこうありますよね。
――損得への配慮が必要ということですね?
合意形成とは言うけれども、その裏にちゃんと利害調整のメカニズムがあるかどうかは大事な話です。利害調整なしで合意形成と言っても、それは「御異議ありませんね」、あるいは「俺の言うことを聞け」と言っているのと大差なかったりします。合意形成では、しばしば心理的な話を大事にしましょうと言われます。けれども、やはり物理的な利害も関わってくるから、それをちゃんと調整するメカニズムがないと厳しい面があります。
例えば用地買収の現場では、制度としての補償基準がありますが、この補償項目はかなりかなり厳しく限定されています。その結果、多少の実践上の妙な「工夫」が案出されることになります。もちろん無駄なところにお金をだす必要はないけれども、出すものにはちゃんと出すシステムを作っておかないといけませんね。合意形成だけの話ではなくて、その裏にある制度というのがやはり大事になってきます。
■ 合意形成に関する様々な手法について
――コンセンサス・ビルディング以外で参考になると考える海外の手法はありますか?
国際紛争解決をやっているグループには、心理学的な手法や分析的な手法を試みているグループがあります。それらとハーバードの交渉研究プログラムも関係していて、サスカインド先生の手法もその中の一つのやり方であると思います。これらは、広くいえば、ADR(訴訟外での代替的紛争解決)という枠に入ってくると思います。
他には、私が具体的に接点を持っているものとしては、例えばembedded case studies(埋め込まれた事例研究)というものがあります。これは、参加型の計画策定で実際にオプションを作り選んでいくところまで、自治体等の様々な関係者と一緒にやりましょうというものです。スイス連邦工科大学のショルツ先生が中心的に発展させてきました。これは、名前はケーススタディですけれども、単なる事例研究ではなくて、関係者を巻き込んで参加型でやってどうやって研究を現場の意思決定につなげていきますかということを考えています。
――PIとコンセンサス・ビルディングとの違いは何でしょうか?
PIとは何かという問題に関わるのですけれども、コンセンサス・ビルディングでは最後にコンセンサスを得ることが大事とされていますね。それに対してPIは、そこをオープンにしているところがあります。とりあえず色々な主体を巻き込み、様々なインプットを入れるわけですが、最後にそれをどう判断するかということについては決めていません。インプットを入れてあとは大局をわかる人がエイヤと決めるのか、コンセンサス・ビルディングのように主要な関係者が合意できるテキストを目指すのかについてはオープンです。パブリック・インボルブメントという言葉の方がずっと広くて、色々なものが入りうるわけですね。
――PI-Forumでは、パブリック・イニシアティブという言葉も使っていますが?
PIを行う際に、インボルブしていく主体は政府に限られません。住民が何かをやりたいというときに住民自身が巻き込んでいくというのもパブリック・インボルブメントです。政府ではない主体がインボルブ(巻き込む)してイニシアティブ(主導権)を取りますという話です。そうすると昔のオルグ(党派的組織化)との違いがわかりにくくなってくるのですけれど(笑)、パブリック・インボルブメントは広く考えることができます。日本ではPIは政府がやるものと思われがちですから、パブリック・イニシアティブとあえて明示したということだと思います。
■ 行政内部、行政と社会、専門家、それぞれの合意形成
○行政内部の合意形成
役所の中の合意形成が、PIを進めていくに当たって実は大変重要です。PIの事例で上手くいかなかった原因を聞いてみると、役所の中の合意形成に失敗していることが多いですね。一部の部局が住民に約束したことが、組織内対立の中で動かなくなるといった例がしばしばあります。
○行政と外部との合意形成
省外で誰の話を聞いているのかというときに、今までは業界団体やマスコミが中心でした。しかし、現在では、どうやって新しいタイプの人たちと接点を持ってその情報をインプットしていくかを考えざるを得ないのです。今までとは違ったタイプのコミュニケーションを行政としてやらざるを得なくなってきていて、ある種の技術革新・イノベーションが必要になっているといえます。
○専門家間での合意形成
コミュニケーションの話で言えば、専門家間関係も実は大事です。住民と専門家との関係が大事だということはよく言われているのですが、専門家間関係の議論はあまりされていないのです。
社会において物事を決めていく上では専門家間の合意形成というのも実はポイントなのだと思います。そこで一つの結論が出れば社会的にもインパクトを持ちうることになります。専門家間の合意形成をやるということは日本の政策研究が活きるかどうかという点でも非常に重要です。
――専門家の意見が食い違う場合の判断は誰がするべきなのでしょうか?
社会として判断せざるを得ないわけですが、深刻な場面がありえます。
例えば薬害エイズの話でも、安部さんという裁判で被告になった方は医学のある領域の専門家でしかなかったわけです。医学界でも領域ごとに何を大事と考えるかに違いがあるから一人だけでは暴走してしまうという面があったのでしょう。けれども冷静に考えれば、彼はその特定の分野の専門家でしかないのだから仕方がない面もあるわけです。色々な専門家の情報を集めて、社会としてバランスをとって判断するという仕掛けがないといけないわけですよね。
専門家に任せるべきかどうかという形で論じられることが多いけれども、そもそも専門家に任せることができるのかを考える必要があります。専門家が勝手に決めていると文句を言ったって、彼らは専門分野しかできない人たちだから仕方がない面がある。住民なり市民の意見をどう入れるのですかという話だけではなく、専門家相互のバランスを社会としてどうとって意思決定するのかという仕組みや合意形成の手法が必要だなと思いますね。
――行政が事務局を担っているというお話がありましたが、公務員に求められる能力が変わってくるということでしょうか?
現在のように世の中の課題が複雑化していくと、行政官本人が専門家として判断する必要は必ずしもなくて、バランスよく専門家を連れてこられる能力が大事になりますね。ただ、どうやって専門家を見つけてくるのかはきわめて難しいとは思います。
○城山氏の最近の取り組み
いま私は、社会技術研究所RISTEX(http://www.ristex.jp)というところで、現場を巻き込んだ分野横断的研究として、安全規制の研究をやっています。全体は、次期東京大学学長の小宮山先生が統括になって、社会基盤の堀井先生(東京大学教授)が中心に進めているものです。この研究には、化学プロセス、原子力、食品安全、交通など様々な縦割りグループがあるのですが、合意形成も潜在的な横断的研究の枠組みになっています。
RISTEXには技術系・医学系の方の中に法律系の方もいるという状況で、私はコーディネーター的な位置にいるという感じです。彼らは各々使っている文法も違うから(笑)、ディシプリン間(学問分野間)のコミュニケーションを促すようなことをやっています。
また、日本学術振興会で人文社会科学の振興のためのプロジェクト研究(http://www.jsps.go.jp/jinsha/index.html)というものもやっています。様々な人文社会系を中心に、科学技術の研究者にも入ってもらって、社会提言ができるようなプロジェクトを作るという試みです。これらは合意形成の学界内実践編ですね。
このような専門分野間の合意形成は、研究としてだけではなく、社会的にも重要なことではないかと思っています。
■ 城山氏と合意形成
――合意形成に関わられるようになった経緯をお話ください。
理論的な研究では国際行政から、具体的なところでは用地買収と中央省庁の政策形成過程の研究会とから、PIの分野にかかわり始めました。海外紛争の和解支援に携わっていたこともあります。その後、客員研究員としてMITに行っていた際にconsensus
building(合意形成)を学び、帰国して今につながってきています。
○非階統制的なマネジメント(国際行政学から合意形成へ)
まず、研究テーマとのつながりでいえば、行政・行政学は、官僚制、ヒエラルキー(階統制:ピラミッド型の堅い組織)の世界を扱ってきた学問なのですけれども、私が当初研究対象としていた国際行政の世界にはヒエラルキーがあるわけではありません。基本的には水平者間の調整が中心となる国際行政の世界の、ある種の秩序を分析対象にしようとしました。ヒエラルキーではない行政、つまり非階統制的な行政があり、そのマネジメントを研究の対象にしますということで、『国際行政の構造』という本を書きました。
しかし、非階統制的な世界というのは国際的な行政だけのことではなくて、現場のまちづくり等もそうでしょう。権力だけでできる話ではないのですから。水の共同管理や森林の管理などもその例ですが、非階統制のマネジメントというものがあり、その具体的手法として合意形成に関心を持ちました。それが合意形成への最初の入り口でした。
○用地買収のマニュアル作り
具体的現場に関わった最初の経験は、道路公団の用地買収のマニュアル作成を手伝ったことです。
道路公団の問題意識として、実際に買収を担当した職員が管理職になり、また退職していなくなってしまうと、今まで自分たちが培ってきた用地買収の技を維持・継承できず、若い世代もそれを知らなくなってしまうということがありました。今までの用地買収のハウツーを残しておきたいということが、マニュアル作成のきっかけだったようです。
そして、当時の担当者の方に、千葉県での神経戦のような事例の現場などに連れて行ってもらいました。看板効果(すぐに強制収用にいくわけではないけれども、事業認定しましたという看板を立てることによって圧力をかける手法)や、漁業補償額の特殊な積算法などがありました。
こういった具体的なことを見たり聞いたりしながらマニュアルを作っていくということをやりまして、これが実務の人と一緒にやったPIに近い分野の最初の仕事ですね。
○各省の政策形成のプロセス比較
後に『中央省庁の政策形成過程』という本になったのですが、各省の実務家と研究者とで研究会をやって、各省の政策形成のプロセスをなるべく実務家に書いてもらって各省の比較を行いました。中央の省庁はヒエラルキーの組織だろうと考えられていますが、実はそれも一通りではなくて、各省ごとにさまざまな合意形成のある種の伝統的な技を駆使しているんですね。しかもそれぞれスタイルが違う。当時の建設省の話ですが、河川の改修などで住民の意見を聞きますといった試みが始まっていて、そういった現場での合意形成の試みから河川法の改正にまで持っていったというプロセスを河川局の方に書いてもらいました。この建設省の政策形成のスタイルは、当時の通産省と対照的でした。
合意形成の話というのは、このように今までインフォーマルにやってきたことを制度化しようという面があります。
○海外紛争の和解支援
途上国、例えばソマリアやカンボジアの内戦に関与して和解を支援するというケーススタディも93から96年にかけてやったことがあります。そのときに紛争解決のワークショップやアメリカの心理学的な手法などを理論的に整理し、具体的にNGOが紛争解決において果たした役割を事例分析した報告書を書きました。例えば、MRA(モラルリアーマメント)というNGOが、和解のワークショップをやっていたのですが、それはスイスの山の上のいい場所でやるのです。景色もいいし食事もおいしいのです(食事はボランティアで作るのですがなぜかおいしかった)。そういう場所に紛争当事者を集めて、戦ってもバカバカしいと思わせて、和解を支援するということをやっていたのですが、私もその現場に3年間ほど参加したことがあります。
○MITでの二年間
そのような背景を持ちながら、97年〜99年に客員研究員としてMITに行きました。理系、文系、実務家が混ざり合っている場として面白いところでした。ここでは環境政策や規制を主に研究していたのですが、MITのサスカインド先生のもとで、consensus
building(合意形成)というものも勉強しました。
○道路事業のPIへの潮流
アメリカに行く直前のことですが、道路事業の政策評価と計画に関するプロジェクトで石川さん(PI-Forum理事長)とご一緒しました。石川さんは当時、道路五カ年計画の改訂を担当していました。
評価のプロセスの中から、PIの芽のようなものがでてきたと思います。事後評価の話から、事前評価のためのインプット(情報の入力)をどうするかという合意形成に近い話に移りつつあった過渡期かと思います。そして、私がアメリカから帰ってきたときには、PIに重点をおいたことを道路でもやりましょうということになっていました。
■ PI-Forumとのかかわり
――PI-Forumでこれができたらいいのではないかというビジョンはありますか?
○プラットフォーム
私は、PI-Forumとして、参加型手法の指針作り、事例の蓄積、異分野交流ワークショップなどに携わってきました。指針と蓄積と交流、この3つがちゃんとできたら良いと思っています。実務と研究者や、異分野の研究者間のプラットフォームができればいい。プラットフォームを作るというのが目的の一つで、指針作りや事例の蓄積も、プラットフォームを作る手法だと思っています。
○外部評価と若手の育成
もう一つあげれば、PI-ForumがPIの外部評価的な主体になりうるかという話があります。ただ、利益相反も出てきてしまうので、会員の皆さんが兼業でPI-Forumをやっている現状では難しいと思います。
これからは、若い人がPIや第三者評価に興味をもって、これ専業で食べていける人が出てきて欲しいです。それをサポートすることも大事だと思います。若い世代が食べていけるような仕組みは我々の世代がつくらないといけないですね。
■ 学生や会員へのメッセージをお願いします。
○冷静さも大切です
「合意形成」はきれいな言葉で隠蔽的なところもあります。例えば、先ほどふれたカルテルとステークホルダーによる合意形成の差を考えておくなど、どこか醒めていることが必要でしょう。面白いと思うのと同時にたえず自己反省しながらやらないといけません。
現場との関わりということも大事だと思います。この分野はやはり理屈だけではないですからね。研究する際にも、ちゃんと現場感覚を踏まえたものであることが必要でしょう。
○PI-FORUMの使い方
PI-Forumをどう使うかということを考えてもらうといいと思います。我々が組織を作ったのは、個人では言えないけれどもPI-Forumとしてなら言えることがあると思っているからです。ミッション・ステートメントを書いてはいますが、戦術的な考慮の産物という面もあります。我々は我々なりに、この組織をどう使えるかを試行錯誤しながらやっているところがあります。だから、この組織がやることを手伝うというのではなく、一緒に組織の使い方を開発してほしいと思います。みんな兼業で、忙しい。けれども、無理やりではなく組織を維持できていることに意味があるのだと思います。
(取材:飯島裕希、後藤純)
(2005年9月発行 PI-Forumメールマガジンより)