このページはPI-Forumとして活動していた頃のウェブサイトをアーカイブしたものです。

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技術交流会・市民参加の運営技術 〜経験とその評価〜

 

主催:

 

社団法人土木学会四国支部

共催:

 

特定非営利活動法人 PI-Forum

 

 

特定非営利活動法人コモンズ

日時:

 

平成17年1月8日(土)

場所:

 

徳島大学工業会館

 

 

 

 

プログラム:

1.

 

市民参加の運営技術 徳島大学工学部・山中英生

2.

 

中四国における実践の紹介とコメント

 

 

1)丸亀市・基本条例を考える会について/MO環境設計・大西泰弘

 

 

2)東広島市におけるまちづくりへの住民参加/復建調査設計(株)・藤田章弘

 

 

3)愛媛県におけるまちづくりへの市民参加/邑都計画研究所・前田眞

 

 

4)愛媛県・公園再生への市民参加/鳳英設計・武智英明

 

 

5)高知県・住民がつくる「大人の楽校」/若竹まちづくり研究所渡辺克志

 

 

6)高知県夜須町手結海浜公園整備計画への参加/88フォーラム・吉井法宏

 

 

7)徳島県月見ヶ丘海浜公園計画における参加/NPOコモンズ・喜多順三

 

 

8)徳島県明連川づくりと総合学習/フジタ建設コンサルタント・岸村憲作

3.

 

参画運営技術の評価を考える(ワークショップ)

4.

 

情報交流会


イベントの概要:

 公共事業やまちづくりにおいて、市民参画をもとに計画や実施を進める動きが多くなっており、市民参画の場作りや運営には、会議技術・合意形成支援技術など、多様な経験とスキルが必要となってきています。
そのような状況の中、土木学会四国支部では、建築・土木分野の技術者が関与した市民参画型の事業や計画づくりでの経験を紹介し、社会技術としての評価を相互に話し合い、社会で重要な役割を果たす技術者としての倫理やスキル、技能について共有する機会を持つことを目的とし、四国4県の事例について発表する場を設けることとしました。
 開催にあたっては共催団体である(特)PI-Forum、(特)コモンズの協力のもと、四国4県各2事例ずつ(計8事例)の市民参加の運営に直接関わった技術者が発表することとなりました。各30分の事例発表では、それぞれの技術者が市民参加の会議や合意形成に至る背景及び準備・実施・結果までの現場の苦労話しや市民参加の運営に関する問題点・課題を発表し、お互いの事例の「良い点」や「今後の課題」を共有することができたほか、当日会場に集まった約70名の参加者からは市民参加の運営方法や合意に至った経緯などについて活発な質問が交わされました。
 また、当日は「参画運営技術の評価を考える」と題したワークショップを開催し、発表の8事例について「良かった点」を参加者(約70名)で班毎に分かれて話し合う取り組みも試みました。

 

主催者コメント(徳島大学工学部 山中英生):

 土木学会四国支部では平成9年度から市民参加型の公共事業の進め方に関する研究会を続けています。最初の3年間はパブリックインボルブメントと呼ばれる、よりよい計画・施設づくりに市民の貢献を促す試みについて、事例や考え方を調査してきました。次の2年間はこうした市民参加の運営を評価したり、指針となるようなガイドライン作りを試み、平成14年度からは市民参加運営を担う技術者の教育方法について研究調査を行っています。また、土木だけでなく建築やその他さまざまなルーツをお持ちの技術者の方々がこうした運営を担っておられます。その一つに、今回の交流会を共催いただいている徳島のNPOコモンズさんらがおられます。また、同じく共催のNPO PI-Forumさんは、全国的にこのような技術を普及させるための支援活動を行っておられます。
 この交流会は、そのようなつながりの中で、四国におられる技術者の方々の交流を通じて、相互に評価しあって、その技術の要所や経験を共有、育成しあうことを目的としています。今回が最初の試みですが、今後できれば継続して会合を開き、市民参加を運営する技術を広めることにつながることを願っています。

 

当日の発表資料:

 今回、土木学会四国支部並びに発表者の皆様のご協力により、下記のとおり当日の発表資料をPDFファイルにより公開することとなりました。当日参加された皆様をはじめ、市民参加の運営技術にご興味をお持ちの皆様におきましては、四国各県の事例について詳しく知る一助となるものと考えますので、ご覧頂き、それぞれのお立場で活用して頂ければ幸いです。
(注:各発表資料については、作成者に無断で転載・加工等することを禁じます。)

0) 市民参加の運営技術

徳島大学工学部/徳島大工学部・山中英生(PDFファイル
主催者代表の山中教授より、「市民参加の運営技術」と題し、市民参加型の広がりや社会的合意形成のプロセス等について説明。

1) 丸亀市・基本条例を考える会について

MO環境設計・大西泰弘(PDFファイル
[概 要]
丸亀市の自治基本条例について、一般公募により集まった市民(参加者)が会議の進め方からホームページを活用した情報開示等まで取り組み、参加者から一般市民へのパブリックコメントを実施した事例について紹介。
[良かった点(抜粋)]
・ 1年半の期間中、33回もの検討会の実施
・ 10の基本原則までまとめ上げたこと

2)東広島市におけるまちづくりへの住民参加

復建調査設計(株)・藤田章弘(PDFファイル
[概 要]
東広島市の酒蔵地区における歴史的町並みの景観整備・保全と生活環境向上といった課題について話し合う「酒蔵地区まちづくり協議会」の取り組みについて紹介。
[良かった点]
・ 横断的課題に対応できるような体制にしたこと
・ 部会に分かれて検討を行った点

3)愛媛県におけるまちづくりへの市民参加

邑都計画研究所・前田眞(PDFファイル:その1その2その3
[概 要]
公募で選ばれた10人のリポーターが地域住民へのヒアリング等をする中で、地域の様々な課題を支援する施設として設立・運営した「ふれあいセンターもやい」について、設立の経緯から運営、将来ビジョンまでを紹介。
[良かった点]
・ 地域の問題意識の抽出から具体的な取り組みへとつながっている
・ 全面的に地域を巻き込んで進めていくプロセス

4)愛媛県・公園再生への市民参加

鳳英設計・武智英明(PDFファイル
[概 要]
石手川緑地再生に伴うワークショップの開催にあたり、設計やパースの専門家が計画のイメージを具現化するお手伝いをする取り組みを紹介。
[良かった点]
・ 住民側をサポートする予算の確立
・ 「専門家の助言はどの程度許容されるべきか」の投げかけができた

5)高知県・住民がつくる「大人の楽校」

若竹まちづくり研究所渡辺克志(PDFファイル[2.2MByte])
[概 要]
高知県の中山間地域で開催された「集落再生」に向けた住民参加のワークショップの取り組みとその成果を紹介。
[良かった点]
・ 地域の人が考えたアイデアを実践に結びつける活力
・ 評価軸を地域が目指す5つの考え方にまとめ上げ、活動イメージを作った点

6)高知県夜須町手結海浜公園整備計画への参加

88フォーラム・吉井法宏(PDFファイル
[概 要]
多くの利害関係者が関与した夜須町海浜公園整備計画について、行政間を含む各ステークホルダーとの関係調整や検討結果の計画への反映について紹介。
[良かった点]
・ 外部者を取り込んだ共同事実確認
・ 参加者がプロジェクトに対する共通理解を得るために開催した勉強会のような検討会の実施

7)徳島県月見ヶ丘海浜公園計画における参加

NPOコモンズ・喜多順三(PDFファイル
[概 要]
月見ヶ丘海浜公園計画における市民参加の枠組み検討からはじまり、「ワークショップの手引き」「基本設計ガイドライン」の2つのテキストを作成し、計画策定のプロセスを明確にしてきた事例について紹介。
[良かった点]
・ マニュアルのない分野で公正な手続きを踏んで行こうとしている取り組み
・ プロセスの明確化をすることで合意形成技術のナレッジができていた

8)徳島県明連川づくりと総合学習

フジタ建設コンサルタント・岸村憲作(PDFファイル:その1その2
[概 要]
計画対象となる明連川について、地元中学校の総合学習と地元住民をリンクさせることで情報発信・意識啓発に取り組んだ事例を紹介。
[良かった点]
・ 学校教育との連携
・ 地域で事業への関心者を発掘できていた