-社会の合意形成を支援する- NPO法人 『PI−Forum』
メールマガジン 第27号
(2004/11/25)
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★☆目次☆★
[ごあんない]
●PI−Forumの秋のイベント
[イベント情報(報告)]
●「AGSプログラムワークショップ2004」参加のご報告
[書籍・論文の紹介]
●書籍のご紹介
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■ごあんない
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●PI−Forumの秋のイベント
PI−Forumは、秋のイベントといたしまして、11月29日
(月)に『市民参画のガイドラインを考えるシンポジウム』を、11月
30日(火)には『合意形成トレーニング体験コース見本市』を開催い
たします。
まだ間に合いますので、ご関心がおありの方は、こちら
(http://www.pi-forum.org/sympo2004/)からお申込みください。
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■「市民参加のガイドラインを考えるシンポジウム」
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お席にはまだ余裕がありますので、ご関心がおありの方はお申込
みください。
■日 時 2004年11月29日(月)
14:00〜17:30(開場13:30)
■テーマ
第1部『公共政策への市民参加の取り組み』(内容は予定です)
・福岡県 企画振興部 空港対策局長基盤整備部 西村 典明氏
福岡空港建設におけるPIの取り組みについて
・岐阜県 企画管理課 企画管理担当主査 長尾 広幸氏
岐阜県社会資本整備指針について
・三鷹市 企画部企画経営室 伊藤 幸寛氏
みたか市民プラン21会議の取り組みについて
第2部『市民参加ガイドラインを考える』
・会場参加型のパネルディスカッションを予定しております。
■参加費 1千円(資料代実費)
※18:00より同会場で懇親会(参加費5千円)
■会 場 フィオーレ東京地下1F(シンポジウム・見本市とも)
東京都新宿区新宿 7-26-9
・都営地下鉄大江戸線東新宿駅 (A2)徒歩 1分
・JR新宿駅、新大久保駅、営団地下鉄丸の内線
新宿3丁目駅から徒歩 15〜20分
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■「合意形成トレーニング体験コース見本市」
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講師と参加者との対話型セッションを予定しております。
第一線で活躍される講師陣と、少人数でのセッションという貴重な
機会です。
■日 時 2004年11月30日(火)
午前の部 9:00〜12:00
午後の部 14:00〜17:00
※全5講座(各講座3時間)
※13:00〜13:50 ポスターセッション(各講座紹介・書籍販売等)
■講師陣および講座のご紹介
*午前の部
・中野 民夫氏(ワークショップ企画プロデューサー)
参加・体験・相互作用を特徴とするワークショップの一連の流れ
を講師とともに体験しながら、場の設定や進行を担うファシリテー
ターの役割やスキルを学びます。
・堀 公俊氏(日本ファシリテーション協会会長)
ビジネス分野で注目の「論理思考(ロジカルシンキング)」をベ
ースにした合意形成のテクニックを社会的な分野に応用。当日は、
「議論を論理的にかみ合わせる」、「議論を構造化して論点を設定
する」の2ステップを、演習を交えて実践的に学びます。
*午後の部
・浅海 義治氏(世田谷まちづくりセンター副所長)
デイサービスセンターづくりの実例をもとに、地域背景と参加プ
ロセスの全体像を示しつつ、建築プランを考える場面を想定したワ
ークショップを行い、参加の企画・運営の方法を体験していきます。
・田村 次朗氏(慶応大学法学部教授/弁護士)
従来型の交渉に代わる問題解決型交渉、最良の会を得るための合
意形成方策など、相互の利益最大化に必要な交渉の知識やスキルを
紹介します。そして、模擬交渉の実践を通して、体験的に「交渉学」
を習得していきます。
・矢嶋 宏光 (IBS/(財)計量計画研究所都市政策室長、
PI-Forum理事)
PIの理論、PIプロセスの組み立て方、従来型説明会に代わる対話
手法や意見を対峙させない対話のテクニックなど、PI導入に役立つ
スキルを、想定事例の演習を通じて学びます。
■参加費 一講座6千円(PI-Forum会員:5千円)
■会 場 フィオーレ東京地下1F(シンポジウム・見本市とも)
東京都新宿区新宿 7-26-9
・都営地下鉄大江戸線東新宿駅 (A2)徒歩 1分
・JR新宿駅、新大久保駅、営団地下鉄丸の内線
新宿3丁目駅から徒歩 15〜20分
■参加申込み PI-Forumのホームページからお申込みください。
http://www.pi-forum.org/sympo2004/
★御挨拶/詳細御案内用チラシダウンロードはこちらより
http://www.pi-forum.org/sympo2004.html
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■イベント情報(報告)
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●AGSプログラムワークショップ2004
□日時 : 平成16年10月12日(火)13時〜17時30分
□場所 : 東京大学山上会館201・202号室
□プログラム:
第1部 「埋め込まれた事例研究(Embedded Case Study)」
の紹介
講師:Roland Scholz & Alexander Walter(スイス連邦工科
大学)
第2部 持続可能な広域交通政策立案のための実験的研究
〜関東圏の広域交通政策を事例に〜
報告者:加藤 浩徳(東京大学大学院工学系研究科助教授)
司会:城山 英明(東京大学大学院法学政治学研究科助教授)
□報告:
第1部では、ショルツ教授らがスイス・バーゼル州を事例に行っ
た研究が紹介されました。バーゼル州における持続可能な都市開発
のための余暇交通のあり方を、実務家とともに研究し、政策提案を
行ったというものです。(「埋め込まれた事例研究」について詳し
くは、”Embedded Case Study Methods: Integrating Quantitati
ve and Qualitative Knowledge” Roland W. Scholz & Olaf Tie
tje, Sage Pub. 2001を参考にしてください。)
第2部では、加藤助教授、城山助教授、中川善典氏(東京大学工
学部博士課程)が行っている、関東圏の広域交通政策における意思
決定支援の研究が紹介されました。続いて、ショルツ教授らのケー
ススタディの知見をふまえて、自動車会社、国土交通省、埼玉県庁
などの実務家の方を交えて、活発な意見交換がなされました。
AGS(Alliance for Global Sustainability)とは、「人間地球
圏の存続を求める大学間国際学術協力」のことで、マサチューセッ
ツ工科大学・スイス連邦工科大学・チャルマーズ工科大学・東京大
学の四大学が、自然科学・工学・社会科学などの学問分野を越えて
、文明の持続性をめざした共同研究を行っているものです。本ワー
クショップはそのAGSの取組みの一つです。
国際的な共同研究としてだけでなく、現在進行形の政策に大学が
どのような貢献ができるかという産官学の連携の試みとしても今後
の進展が期待されます。
(文責:学生会員 飯島)
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■[書籍・論文のご紹介]
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●書籍のご紹介
『ここからはじまる倫理』 アンソニー・ウエストン著
(野矢 茂樹、高村 夏樹、法野谷 俊哉 訳)春秋社 2004年
□概要
本書は、倫理を実生活にかみあわせることを目指し、そのための
技術や心構えについて論じたものである。
まず、倫理のゴールはきちんとしたやり方で考えること、と著者
は言う。そしてきちんとしたやり方で考えるためには、人の話に耳
を傾けることが大切であり、条件反射的に反論してしまうことがな
いよう注意を促す。「どれほど意見が分かれていようとも、一緒に
問題を解決し、ともに生きていかねばならない。だから、考え続け
、語り続けることが必要」なのである。
そして、4つのテーマについて論じられる。(1)自分の頭で考
えること、(2)創造性、(3)二極化しないこと、(4)想像力
、という4つである。以下はその要約である。
(1)「自分の頭で考えること」
権威や宗教に訴えたり、ある道徳規則を信奉して思考停止に陥る
ことなく、自分の頭で考えることが大切である。権威や規則がどの
ように命じようとも、その命令に従うか否かを「選択」する責任は
常に自分に残されている。
(2)「創造的に問題を解決する」
ジレンマに陥っていると短絡的に思い込まずに、選択肢を拡げる
ことや、問題そのものを問題でなくしてしまうことはできないか、
考える。
(3)「二極化してはいけない」
多くの論争において、一方が善で他方が悪と割り切れるものでは
なく、それぞれに正当化根拠がある。だから、「どちらが正しいか
」ではなく、「それぞれの立場はどこが正しいのか」と考えてみる
のがよい。意見の不一致があるとしても、より根本的なレベルで見
解が一致する部分があるはずであり、そのような共通の前提から解
決策を探ることもできる。
(4)「想像力をともなった倫理」
自己中心的に考えてしまうこと、先入観や偏見に拘泥すること、
差別用語をおかしなものと感じないこと。人はしばしば、他者も自
分と同じく感情を持っていることを忘れてしまう。そうならないよ
う「想像力を開いていること」が大切であり、倫理は想像力を開か
せてくれる。
□所感
概要を読まれた方の中には、当たり前のことしか書かれていない
と思われる方もあるかもしれません。しかし、ここで実際に扱われ
ている事例を読めば、気づかされることがあると思います。具体的
には、一つしかない薬を二人のどちらに渡すか、嘘をつくこと、菜
食主義、アファーマティブアクション、自殺幇助、銃規制、などの
議論が扱われています。対話形式にするなど、読みやすくする工夫
がなされていて好感が持てました。
私が最もハッとさせられたのは、「ジレンマをジレンマと思い込
まない」ということです。ジレンマに陥っていると思い込むことで
、思いつく解決策の選択肢を狭くしてしまっていることがあるので
はないでしょうか。当たり前のことを、常に体現できているとは限
りません。
本書を紹介しましたのは、「交渉」について考える際に役に立つ
ことがあると思ったからです。「一方が善で他方が悪と割り切れる
ものではなく、それぞれに正当化根拠がある。」という指摘があり
ました。相手が大事にしている点を侵してしまうと、妥協は難しく
なるでしょう。また、相手の大事な点を知ることで、自分に有利に
交渉を進めることができるかも知れません。本書の指摘は、交渉の
戦略について考える際に役に立つはずです。
しかし、それだけではありません。交渉の基礎には、倫理的な側
面、マナーのようなものがあると思います。人に接するときの態度
といったこと、それを考えるきっかけも本書は与えてくれると思い
ます。
(文責:学生会員 飯島)
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★☆会員募集☆★
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・立場の方々のプラットフォームを形成するため、幅広く会員を
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http://www.pi-forum.org/appli.html
〜PI-Forumの目指すもの〜
我々は、行政が政策決定過程に市民の参加を促すとともに市民一
人一人が積極的に発議するための新しい合意形成の仕組みを提案
し、提供することにより、市民が主体的に合意形成の取り組みに
参画する社会を実現するとともに公共サービスの満足度を高める
ことを目指しています。
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PI 3つの定義
1.Public Involvement:行政が政策決定過程に市民の参画を
進める
2.Partnership Incubation:パートナーシップを育む環境を
つくる
3.Public Initiative:市民一人一人が積極的に発議・提案し
ていく
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