はじめに

市民参加、合意形成、対話、国民的議論・・・いろいろやるべきことはありますが、

  • 現場で実際に何をすべきか、わかっていますか?
  • 既にやっているのならば、いまのやり方で、本当に正しいのですか?

これらの疑問を社会に問いかけるため、そしてその答えを実際の現場に即して模索するために、デモクラシー・デザイン・ラボを発足しました。

意思決定の方法を変えれば、その結果も変化します。議論の場のデザインを変えても、結論が変化します。ならば、意思決定のルールや、議論の場のデザインは、誰が決めているのでしょうか?

デモクラシーという概念だって、選挙のルールをはじめ、人間がじっさいの場をデザインすることで、はじめて現実のものとなるのです。

もちろん、議論の仕方や決め方について延々と議論して、いますぐ決めなければならないことが決まらないのは問題でしょう。

しかし、たまたまネットで目にした、エラい先生が言っていた、最近流行っているから、「先進国」でやっているらしいから、というだけの理由で、議論の仕方や決め方を選択しているのならば明らかに問題でしょう(※しかし、個人的にはそういう実践が多いように感じます)。また、誰かが自分の都合に合わせて決め方を操作できてしまう社会も問題ではないでしょうか。

要は、議論の仕方や決め方についても、多様な選択肢を見据えた上で、公衆に開かれた議論と選択の場が必要だと思うのです。

行政職員、NGO、一般市民、メディア、さらにはコンサルタント、ファシリテーター、研究者など実務に近いみなさんにも、この問題意識を持って、多様な方法論やその意味を議論していただく場として、デモクラシー・デザイン・ラボを立ち上げました。

具体的な現場への支援・関与のほか、セミナーなど情報発信と議論の場も積極的に設けていきます。どうぞ今後の活動にご期待ください。

2016年1月

代表理事 松浦正浩

 

問題意識

  • 多様な対話・合意形成の実践の場は増えている
  • 行政・企業・市民社会における場づくり、段取りのスキルと知識が不足している
  • 場づくりに関する知識・アドバイスがアドホックかつ属人的に供給されている
  • 大学研究者は研究に関心があり、現場のニーズに合わない手法を押し付ける危険がある
  • 有能なファシリテーターや現場支援者が全体的に不足している
  • 対話における専門家や科学者の役割が曖昧なせいで混乱が起きている
  • 高い不確実性に対応できないガバナンスが問題を引き起こしている

ミッション

上記の問題に対応すべく、

  • 対話や合意形成などの場をデザインします
  • 対話や合意形成などの場を実際に運営します
  • 科学や専門知との接続を意識したデザインを心がけます